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『評価』B+(演技4/演出3/脚本4/撮影2/音響3/音楽3/美術3/衣装3/配役4/魅力3/テンポ3/合計35)
『評論』
公開当初、評論家の高評価が印象にあった為、いつか鑑賞しようと思っていた作品でした。ただ、新作料金でレンタルする気にはなれず、新作落ちを密かに待ってたんですよね(;´▽`A``
で、ようやく新作落ちしたので先日鑑賞する事が出来ましたw
正直、本作のタイトルであるボルベール(帰郷)から、郷里に帰りそこでのヒューマン映画的なものを想像していたのですが、実際に鑑賞してみると自分の予想とは違っていました。
何というか、本作は、女性の姿を描いた映画なんですよね。女であり母であり娘である女性。
そして、母娘の関係について掘り下げた映画だったと思います。

タイトルにある帰郷というのは、文字通り郷里に帰るというものではなく、ペネロペ・クルス演じるライムンダが、自らの母の元に帰る様を表しているものでした。
ここからは、
ネタバレですので、まだ鑑賞していない方で興味のある方はスルーして下さい。
ある事件を境にライムンダは自らの母親を遠ざけ娘である事を止めてしまっていました。
ところが、自分が娘を持ち母親となり、自らの母親と同じ経験をする事で、自分の母親の気持ちが解ります。

そしてそれをきっかけに和解に至るのですが、その描写が違和感なく描かれていました。
私自身、女性ではないので、何ともいえない部分があるのですが、同性の親子というものは、微妙な距離感があるというか、何というか素直に親子という関係だけでは割り切れない気がします。
なんというか親、子という立場の他に男だったり女である訳で、ある種ライバル感というかお互い相容れない部分があるような・・・
そしてそれは、男性よりも女性の方が強い気がするんですよね。

本作では、その微妙な感じを巧みに表現しつつ崩壊ではなく再生を描いてる点に好感がもてましたし、ある種の感動を覚えました。
話の展開としては、まったく予想通りに展開していくのですが、それでも面白かったですし、なんだろう?それは感情の伏線のはり方が絶妙だったからかなぁ?と今考えると思ったりします。
キャストとしては、主人公のライムンダを演じたペネロペ・クルスが非常に良かったと思います。
何というか母親としての姿が非常に似合うんですよね。かといって、母親だけではなく女性としての魅力も持っていて、娘としての危うさも持っているというか・・・
そういった点において本役は絶妙だったのではないかと思います。

また、母イレネを演じたカルメン・マウラの母親としての演技も非常に良くて、ペネロペとの距離感も絶妙だったと思います。
最後に娘を演じたヨアンナ・コボが、どうしてもロナウジーニョにみえてしまって・・・劇中、ずっと目で追っていたのは内緒ですw
さて本作ですが、やはり母や娘である立場の女性が観るともっと深い味わい方があるというか・・・
必見ではないかな?と思いました。
『内容』稼ぎの良くない夫と一人娘パウラ(ヨアンナ・コボ)を養う為に、忙しく働くライムンダ(ペネロペ・クルス)だったが、夫がパウラに関係を迫り、逆に刺し殺されてしまう。それを知ったライムンダは、夫の死体を処理する事に決めた。
そんな中、親代わりであった伯母の訃報が・・・またそれに加えて死んだはずの母イレネ(カルメン・マウラ)を見かけたという噂が・・・
『配役』ライムンダ/ペネロペ・クルス
イレネ(母)/カルメン・マウラ
ソーレ(姉)/ロラ・ドゥエニャス
パウラ(娘)/ヨアンナ・コボ
アグスティナ/ブランカ・ポルティージョ
パウラ伯母さん/チュス・ランプレアベ
パコ/アントニオ・デ・ラ・トレ
『監督』 ペドロ・アルモドバル
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