
A+ 面白い
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B 普通
B-
C+
C ↓
C- つまらない
『評価』A-(演技4/演出4/脚本4/撮影4/音響3/音楽3/美術3/衣装3/配役4/魅力4/テンポ4/合計40)
『評論』
本作について、公開当時から話題になってましたよね。公開前、そのタイトルから、ホラー系かそれに近しいサスペンス系みたいなイメージがあったのですが、天童荒太による小説作品である事と、あらすじを知って、イメージしていたものとは全く別物のストーリである事から、興味を引かれていた作品でした。
また、物語の主軸である、包帯を直接的に傷に巻くのではなく、傷ついた場所やそれに属する場所に巻く事での癒しという内容にも興味を覚え、例の如くレンタル開始直後にレンタルし鑑賞しました。
正直、日本映画って個人的には当たり外れが激しい為、期待半分警戒半分という感じで鑑賞したのですが、予想をはるかに超えて面白かったです。

全体的な構成もテンポも良いと思いましたし、何より原作がしっかりしていたからか、物語を通して筋が通っていたというか。飽きる事なく鑑賞する事ができました。
内容も、前述にもあるように包帯を場所に巻くというストーリを主軸に、若いティーンズが抱える友達関係の問題や、少年犯罪、性犯罪、ネット問題、自殺問題などを少なからず盛り込んでいて、構えることなく自然に感じられるというのも良かったと思います。
特に印象に残ったのが劇中でディノを演じる柳楽優弥が、自殺を考えたワラを演じた石原さとみに、「人間はまっすぐ歩いてると、なんとなくまっすぐ歩いてるのが嫌になって、ちょっと曲がってみようと考える。それと同じように人は死を選ぶ。」という内容の発言をしたシーンです。

その言葉を聞いた時に、芥川龍之介が自殺した理由を「将来に対するただぼんやりとした不安」としていたのを思い出しました。
また、それと同時に若い折、そういう感情で自殺というものについても考えた事もない訳ではないというか・・・
思春期って今の自分の状態だったり、将来だったり、各問題について、投げやりになるというか、表現しにくいのですが、なんとなく不安になるというか・・・情緒が不安定になる時ってありますよね。
成人し、結婚し子供をもって落ち着いている今だからこそ、ある種客観的に見る事ができるのですが、若い時は若い時で真剣な訳で・・・
そういう若さゆえの不安定さだったり、脆さを思い出しました。。。
また、人間が本来持っている思いやりや他人を気遣う心、人との結びつきなども感じる事ができました。

結局、人が人を思いやるのも優しくなれるのも、その人の辛さや苦しさを味わった事があるからな訳で、登場人物全てが心に傷を持つからこそ、彼らが他人の傷について真剣に向き合えていたという描写も良かったと思います。
さてさて、キャストですが、主人公であるワラを演じたのは石原さとみ、ディノを演じたのは柳楽優弥です。
石原さとみについては、巷では演技力が評価されているようですが、個人的にはどの役をみても同じような感じで、あまり好きではないというか・・・早口&うるさい演技が好きじゃないんですよね(;´▽`A``

でも、本作の役については、不安定さをうまく表現できていたと思います。
また、柳楽君については、
「シュガー&スパイス 風味絶佳」よりインパクトがあったというか、あの役もあの役で良かったとは思いますが、本作の方が、演じやすかったのか生き生きしていたような気もしました。個人的な感想ですが(;´▽`A``
その他、ギモを演じた田中圭、タンシオを演じた貫地谷しほり、テンポを演じた関めぐみ、リスキを演じた佐藤千亜妃も非常にバランスがとれていて良かったと思います。というか、けっこう豪華なキャストですよねw
意外とすんなり入っていける映画ですし、テンポも良い映画ですので、機会があれば是非♪
『内容』90年代のロサンゼルス。一人の新米女性教師が、劣悪な環境下で生活する生徒たちに対して、交換日記をつけることにより、立ち直らせたという実話を元に映画化された作品。
『配役』ディノ/柳楽優弥
ワラ/石原さとみ
ギモ/田中圭
タンシオ/貫地谷しほり
テンポ/関めぐみ
先生/塩見三省
ワラの母/原田美枝子
テンポの母/風吹ジュン
岡本麗
国広富之
『監督』 堤幸彦
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