
A+ 面白い
A ↑
A−
B+
B 普通
B−
C+
C ↓
C− つまらない
『評価』B+(演技4/演出3/脚本3/撮影4/音響3/音楽3/美術4/衣装3/配役3/魅力3/テンポ2/合計35)
『評論』
戦争映画って個人的にかなり苦手です。観るとどうしても後味が悪いというか、ずっと残ってしまうというか・・・
それ故に、出来る限り戦争映画はスルーしてきたのですが、ハリウッド制作の日本目線からの戦争映画、且つ監督がクリント・イーストウッドということで、とりあえず鑑賞してみました。
そもそも史実に基づく戦争映画って、歴史的な資料という意味あいの他に、如何に戦争という行為が理不尽で、悲惨で、切なく、無意味なものなのか?という事を、現在に生きる我々に認識させるという目的が強いと思います。
そういう意味で本作は、戦争によって苦悩する若者だったり、残された家族、さらには、国が違うが故に人々が殺し合う理不尽さが上手く描写されていて、戦争というものが間違っているということを認識させるに足る映画だったのではないでしょうか?

個人的に、幼稚な意見かもしれませんが、自分自身も自分の子供達も、更には世界中の人々全てが戦争によって殺し合ってはならないし、戦争を起こしてもならないと再認識させられました。
こういう当たり前の事って、普段あまり考えないことですよね。こういう事を再認識させられるという意味でも鑑賞できたことや、本作が制作された事は意味のある事だったと思います。
さて本作は、タイトルからも解るとおり「硫黄島の戦い」を元に制作されています。
戦局を大きく左右させる拠点だった「硫黄島」の戦いだけに、両軍合わせて4万人を超える死傷者を出した壮絶な戦いだったのですが、本作ではどうもその辺りの描写が弱かった気がします。

また、当時の日本軍が常としていた水際防御戦術を廃し、上陸部隊を内陸に進めさせた上での集中砲火を選んだ栗林中将の戦略だったり気持ちの描写なども弱く、観ている側としては正直物足りなさを感じてしまいます。戦争自体の迫力も日本映画とは段違いですが、真にせまるというか極度の緊張感だったり壮絶感がなかったのも残念でした。
ただ、よくよく考えると、そういった戦争描写だったり、戦術戦略描写よりも、イーストウッドが伝えたかったものは別にあった訳で、こういう外見的な事はどうでも良かったんですよね。

「硫黄島の戦い」の折に届かなかった手紙というのをテーマに置きつつも、一番観せたかった手紙というか場面は、劇中に捕虜となったサムという米軍が母親からもらっていた手紙だったのではないかと思います。
あの手紙の内容を知ることで、鬼畜や犬畜生などと教えられてきた米軍達も、自分達と何ら変わらぬ母を持ち、同じ事を考えている普通の人間だったということを日本軍達が知る訳で・・・
このシーンに、イーストウッドが伝えたかった全てが凝縮されていたのではないでしょうか?

さて配役ですが、栗林中将を演じた渡辺謙はもちろんのこと、パン屋出身の一般兵を演じた二宮和也はなかなか良かったと思います。
はじめは、二宮君のだらしい感じの演技だけに大丈夫か?と危惧したのですが、ストーリーが展開し彼の背景が明らかになるにつれて彼の気持ちも分かりましたし、日本兵と米兵という隔たりの他に、昔の人間と現在の人間という隔たりを、今風の若者が今風の心境を表しながら描くことでとっぱらった気がしました。そういう点で、よく考えているなと感心しました。
また、憲兵出身の兵士を演じた加瀬亮も良かったです。彼ってこういううじうじというか、デリケートな役が非常にあっていますよね(^^;)
『内容』クリント・イーストウッド監督の硫黄島2部大作の日本側から描いた作品。
戦略的重要拠点である硫黄島を守るため、アメリカ留学経験をもつ栗林陸軍中将(渡辺謙)が硫黄島に着任した。栗林中将は、硫黄島を死守すべく地下にトンネルを掘り要塞を築いた・・・
『配役』栗林忠道中将/渡辺謙
西郷/二宮和也
清水/加瀬亮
西竹一中佐(バロン西)/伊原剛志
伊藤中尉/中村獅童
花子/裕木奈江
『監督』 クリント・イーストウッド
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