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C- つまらない
『評価』
B(演技3/演出3/脚本3/撮影3/音響3/音楽2/美術3/衣装3/配役3/魅力2/テンポ3/合計31)
『評論』「キンゼイ・レポート(報告)」
アメリカの白人男女18,000人の性に関するレポートをまとめた調査報告書。
その報告書の中では、成人男性の30%、成人女性の20%は同性愛的傾向を持つことや、女性もマスターベーションをすること等を発表し、当時の社会に衝撃を与えた。
何の下知識もなく、キンゼイ博士や彼の出版した「キンゼイ・レポート」についても知らずに、この作品を観ました。
内容としては、キンゼイ博士は、もともとタマバチの研究をしていて、一つとして同じもののいないタマバチに興味を持ち、10万を超えるサンプルを採集していました。そんなキンゼイ博士ですが、結婚初夜の失敗と学生の性に関する質問がきっかけとなり、性研究に興味をもつようになります。
それを受けて、学生達に、性についての講義をするようになったキンゼイ博士でしたが、学生達より、同性愛について、マスターベーションについて、性の嗜好について等、自分は一般的な人と比べて正常か異常かという質問を受けるようになります。

人間の性の嗜好はタマバチと同様、一つとして同じものがないと感じたキンゼイ博士は、ありとあらゆる人の性に関するサンプルをアンケートと面接調査という形で行うようになり、それらをまとめた報告書を出版するというものです。
当時、性的な誤った知識が横行し、例えば、自慰行為をすると子供ができなくなるとか、手で性器を触ってはいけないとか、そういう事は病気や異常として、治療の対象となったりしていたようです。
そういった意味では、人々の性についての考え方や嗜好等を統計的にまとめ、性についての考え方をオープンにしようとするキンゼイ博士の行動について、理解できましたし、それは必要な事かもしれないと思いました。

ただ、当初は、興味をもたれ受け入れられていたキンゼイ博士のレポートも、徐々に反発され、糾弾されるようになります。
キンゼイ博士としては、ただ性についての知識や嗜好などを調査、研究しているだけなのに、どうして?という感情が強かったと思います。
では、なぜ人々の反発を受けるようになったのか?
それは、博士が人間の感情と言うものを一切考慮していなかったからだと思います。
宗教的な問題や倫理的な問題からの反発というのも強かったのですが、それらもまた人間の感情が支配するところですし、自身も後に悟る「愛」という感情が、人間の性に非常に密接に絡んでいる訳で、それらを除外して、研究していても真理に辿り着かないどころか、人々が嫌悪感を覚えるのは当然だと思います。

後に登場する、幼い子供を犯していた異常男性者との面接調査において、嫌悪感を覚えることで、自身の研究方法等についても「愛」という感情が欠落してた事に気付いたのだと思います。
それに気付いた事で、性に関する考え方や、妻に対する感情と言うものもまた変化したのではないかと思います。
さらに、ラストで登場するインタビューを受けた女性は、うって変わって、この「キンゼイ・レポート」により救われた訳で、この二人のインタビューを対比させることで、彼の行った研究の長所と短所を見事に明確化させていたのではないかと思いました。

さてさて、このキンゼイ博士を演じたのは、リーアム・ニーソンですが、性について純粋にひたむきに研究していく博士の姿を好演していたと思います。また、
「ニュースの天才」「フライト・プラン」等でもお馴染みのピーター・サースガードも、存在感のある演技が光っていました。
そして個人的に一番良かったと思うのは、キンゼイ博士の妻マックを演じたローラ・リニーです。博士を見守り、彼の全てを解り知った上で全てを受け入れる奥さんを見事に演じていたと思います。
最近の主演作
「エミリー・ローズ」も良かったのですが、本作では、女性としての大きさというか、包容力というか・・・違った魅力をだしていました。

あと、クリス・オドネルも出ていましたが、いまいち影が薄かった気がします。ピーター・サースガードが目を引くだけに、その影に隠れてしまったような気が・・・
「三銃士」等に出ていた当時は、結構存在感があり、各映画紙などでも、その大口ぶりは凄まじかったのに、今では・・・(^^;)
ちなみに、余談ですが、この映画の中で、リーアム・ニーソンとピーター・サースガードのディープキスシーンがあるのですが、かなり気持ち悪かったです(^^;)
「キンゼイ・レポート」の中で、男性の30%は同性愛的傾向があるとされていますが、どうやら私にはその傾向はないようですw
『内容』アメリカの学者アルフレッド・キンゼイ博士が全米1万8000人に、性についてのインタビューをしてまとめた統計レポート「キンゼイ報告」。このレポートを出版するまでにいたった経緯と、キンゼイ博士の半生についての映画。
厳格な父に育てられたキンゼイ(リーアム・ニーソン)は、動物学の助教授となり、タマバチの研究に没頭するようになる。
一つとして同じもののいないタマバチの魅力にとりつかれたキンゼイは、サンプルを集める最中、学生であったマック(ローラ・リニー)と出会い結婚。初夜を迎えますが、失敗・・・その後、自分の性の知識の無さを痛感したキンゼイでしたが、学生からの性に関する質問を受け、同様に周りの人々の性の知識の無さにも知り、性について研究するようになります。
そして、タマバチのサンプル集めは、いつしか性のレポートサンプル集めへと・・・
『配役』アルフレッド・キンゼイ/リーアム・ニーソン
クララ・マクミレン/ローラ・リニー
クライド・マーティン/ピーター・サースガード
ワーデル・ポメロイ/クリス・オドネル
ポール・ゲブハルト/ティモシー・ハットン
アルフレッド・シークイン・キンゼイ/ジョン・リスゴー
サーマン・ライス/ティム・カリー
ハーマン・ウェルズ/オリヴァー・プラット
アラン・グレッグ/ディラン・ベイカー
アリス・マーティン/ジュリアンヌ・ニコルソン
ケネス/ウィリアム・サドラー
サラ・キンゼイ/ヴェロニカ・カートライト
インタビュー対象女性/リン・レッドグレーヴ
『監督』 ビル・コンドン
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